組織は愚か

組織というものは愚かなものです。変な書き出しですいませんが私は本当にそう思います。とても優れた人が集まり愚かな組織を形成してしまう。これは実は結構良くあることなのです。

  • 本日、私のサイトがYahooの今日の新着ピックアップに掲載されました。アクセスは朝一から通常の20〜30倍の勢いでタケノコのように気持ちよく伸びていきます。しかし私はそれを見ながらあることを思い出していました。
  • 今から十数年前のことです。日本は空前のバブル経済にわきかえっていました。朝、10億で買った不動産を、午後には20億で売るというような異常な好景気(でもhealthyではない)状態でした。
  • 不動産価格や金利はみるみるうちに上昇します。自動車会社は今まで5ナンバーだった車種を軒並み3ナンバーにアップグレードしていきます。販売チャネルも見分不相応なほどの拡大の一途です。
  • 当時、今の会社に入る直前か、入った直後頃であった私は思いました。この異常なバブルは数年とは続かない。そのときには今の過剰な消費への期待や過剰な投資は大きなリスクとなる。数人の知り合いや上司に疑問をぶつけてみました。おまえは何を言っているんだ、というような顔をされました。しかし数年後、それは現実となります。
  • 言いたかったポイントはこうです。当時、私と同じように不安を持っている人は実は沢山いたのです。ではなぜ企業はそこまで暴走してしまったのか?私はそれが組織の愚かさだと思います。例え優秀な社員の集まりである組織であっても、大きな組織の方向を是正するのは容易なことではありません。組織そのものが大きな生き物のようにある方向に向かって進んでいくことがあります。例えそれが間違った方向であろうともです。そういう意味では組織は愚かなものです。
  • 組織の中の群れの一員として日々を過ごしていると、ふとその当たりの感度を失う人がとても多いように思います。組織の愚かさを是正できるのは、組織の機能ではありません。個人です。
  • 今注目の中国(mainland China)に様々な業種の企業が進出を企てbusiness equationを作成しています。しかし見てみると、あまりにも期待過剰な市場成長の仮定に基づいたものも少なくありません。このようなリスクは日本でもASEANでも過去現実のものとなっているわけです。しかし組織にはそのリスクが見えないことがあるようです。そしてそれを適正な方向に是正できるのは、私たち個人なのです、と思いました。そしてそれは外資でも日本企業でも同じようです。
  • 案の定、朝一異常な伸びを見せたHPへのアクセスは夕方頃には朝一の予想を下回るものとなっていきました。そして今現在の英語ランキングサイトの私の得点は完全にバブルです。